美食家魔王は大罪がお好きなようです

11/19

63人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
暫し、本能のままに歩き続け―― o川*゚ー゚)o「…ん?」 ――止まった。 目の前に大きな洋館。 外壁は薄汚れ、所々崩れかけている。 それだけを聞けば只のボロ屋敷と変わらないだろう。 o川*゚ー゚)o「暗い…」 ――夏の昼間、爛々と輝く太陽の下だというのに、そこだけ何故か影が射しており薄暗い。 日差しを遮断するもの等無い筈なのに…。 o川*゚ー゚)o「これは…」 生まれた巨大な好奇心。 気になる。 リハ*゚ー゚リ ユウレイヤシキヨー ミセ*゚ー゚)リ ダレモイナインダッテー (゚、 ゚トソン マァ ハイルヒトナンテ イナイワヨネー o川*゚ー゚)o「…ほう」 背後を通り過ぎた通行人の会話を胸の内で反芻する。 幽霊屋敷。 安直でベタではあるが、外観は正しく其れである。 誰もいない。 幽霊屋敷の中に誰もいないという事だろう。 つまり入っても気付かれない。 入る人なんていない。 o川*゚ー゚)o「ここにいる」 言い終わる前に、その手は黒い鉄の門を握っていた。 本能に従い、足を掛け門をよじ昇っていく。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

63人が本棚に入れています
本棚に追加