63人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
暫し、本能のままに歩き続け――
o川*゚ー゚)o「…ん?」
――止まった。
目の前に大きな洋館。
外壁は薄汚れ、所々崩れかけている。
それだけを聞けば只のボロ屋敷と変わらないだろう。
o川*゚ー゚)o「暗い…」
――夏の昼間、爛々と輝く太陽の下だというのに、そこだけ何故か影が射しており薄暗い。
日差しを遮断するもの等無い筈なのに…。
o川*゚ー゚)o「これは…」
生まれた巨大な好奇心。
気になる。
リハ*゚ー゚リ ユウレイヤシキヨー
ミセ*゚ー゚)リ ダレモイナインダッテー
(゚、 ゚トソン マァ ハイルヒトナンテ イナイワヨネー
o川*゚ー゚)o「…ほう」
背後を通り過ぎた通行人の会話を胸の内で反芻する。
幽霊屋敷。
安直でベタではあるが、外観は正しく其れである。
誰もいない。
幽霊屋敷の中に誰もいないという事だろう。
つまり入っても気付かれない。
入る人なんていない。
o川*゚ー゚)o「ここにいる」
言い終わる前に、その手は黒い鉄の門を握っていた。
本能に従い、足を掛け門をよじ昇っていく。
最初のコメントを投稿しよう!