美食家魔王は大罪がお好きなようです

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o川*゚ー゚)o「よいしょっと!」 華麗に着地して、改めて目の前の建造物を観察する。 黒い煉瓦で積み上げられたそれは、やはり壮大。 屋根は尖っており、魔女か何かが潜んでいそうだ。 o川*゚ー゚)o「ありゃあ~」 そうしてぐるりと見渡した後、ふと気づく。 入れるような場所がない。 いや有るには有るのだが、目の前の扉のみ。 恐らく施錠されているだろう。 敷地内に入った以上内部を拝見したいが、どうにも不可能そうだ。 o川*゚ー゚)o「…まぁ一応」 望み薄だが、扉のノブに手を掛けた。 そっと力を加える。 o川*゚ー゚)o「――あれ?」 ギリリと軋む音を発て、意図も簡単に扉が開いた。 拍子抜け。 足を踏み入れる。 白と黒のチェッカーフラッグのような床。 両の壁に巨大な本棚。 汗牛充棟と本がぎっしりと詰め込まれている。 目の前に途中で分かれた階段があり、その中央に肖像画が掛かっていた。 金髪の紳士の絵。 その翡翠色の両の目は瞳が細く、何処か猫のように見える。
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