美食家魔王は大罪がお好きなようです

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「…何年…何千年寝てしまったのであろうか」 ――声がする。 ガタリと、何かが開ききった音がした。 背中に冷たい汗が流れる。 「忌まわしきかな人間…大いなる力は吸いとられ、今は小指程度しか残っておらんわ…」 言葉の端々に怒気が混じる。 カタリ。 等間隔に固い物同士がぶつかり合うような音がする。 同時に、オーラとも闘志とも知れぬ存在が近付いてくる事を感じた。 「しかし、今は憤怒に浸っている場合ではない――寧ろ憤怒で微塵なりとも力を取り戻したい所なのである」 逃げ出したい。 逃げ出さなければ。 先程から、自分自身のSOS信号に対して脳内で警鐘が鳴り響いている。 しかし、それに反して身体が動かない。 何か、巨大な網で捕らわれているような感覚が、それを許さないのだ。 「つまり人間――」 恐る恐る、硬直していた首を微かに背後へと回した。 ( ФωФ)「――我が輩は空腹なのである…食い物を寄越すのである」グリュリュ~ o川*゚ー゚)o ――ショタがいた。 猫のような髭が付いたショタがいた。
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