美食家魔王は大罪がお好きなようです

5/19

63人が本棚に入れています
本棚に追加
/21ページ
垂れた目の、時折荒い息遣いをする青年を先頭に、足並みを揃えて校門を出た。 いつも通り集団の1番後ろを陣取ると、もう1つ欠伸を夕空へ飛ばす。 o川*゚ー゚)o「…よいしょっと」 〝伊藤〟と名字が彫られた名札を鞄に仕舞い、前方を見つめる。 無論前方にいるのは、他の5人である。 (;゚ー゚) テクテク 鞄に両の手を当てて、椎名はオドオドとしながら首を右往左往と動かしていた。 恐らく周囲に何かしらの障害が無いか注意しているのだろう。 少しでも謝らないで済むように。 ( ´Д`) テクテク 集団の先頭、垂れ目の青年がブラリブラリと腕を振るい歩いていく。 彼は〝八里 八頭身〟。 同級生である。 身長が高く、その名の通りスタイルがいい。 成績優秀、運動神経は、まずまず。 端から見れば恵まれていると言っていいだろう。 しかし、クラスの女子には大不評だ。 ――一陣の風が背後から吹く。 (*´Д`)「…白」 前方の女子高生を見据えて、ボソリと呟く。 途端に息遣いが荒く変わり、その頬は、夕陽のせいか赤く染まっているように見えた。 o川*゚ー゚)o(うわぁ…) 大不評な理由は言わずもがな。 色々と残念な男だからである。
/21ページ

最初のコメントを投稿しよう!

63人が本棚に入れています
本棚に追加