11人が本棚に入れています
本棚に追加
ブーンは紙とペンをジーンズのポケットにしまい、先ほどの変な物体とピックをギターに挟んだ。
ギターのストラップを肩にかけていざ立ち上がろうと前を見ると、男が手を差し伸ばしていた。
(´・ω・`)「俺は太田渚本介(しょぼんのすけ)だ。宜しくな」
( ^ω^)「…よろしくですお」
手を握り返し、勢いよく立ち上がる。
渚本介はブーンのギターに興味津々で、歩きながらギターについての質問ばかりをブーンにぶつけた。
何故か会話が噛み合わない時がいくつかあったが、それでもブーンは悪い気はせず、生き生きと答えていった。
そして、歩くこと約30分。
森がだいぶ開けてきた頃、渚本介が前を指差した。
(´・ω・`)「見えてきたぞ、あれが二子堂城の城下町だ」
( ^ω^)「へーあれが……」
( ^ω^)「……え?」
二人の目の前に広がっているのは、静かな城下町だった。
ブーンにとってはテレビでしか見たことないような、何百年か前の日本の木造の家や店が並んでいる。
そして道行く人々の格好。まさに大河ドラマで何度も見たそれだ。
(´・ω・`)「ふむ、思っていたよりは賑わいのある町だな」
( ゚ω゚)
ここが赤坂?いやいやいやそんなわけがない。
ほら、だってこの町の向こうにはビルが……
( ゚ω゚)「無い」
(´・ω・`)「え?」
無い。何も無い。
見渡す限り、森と山しかない。
( ゚ω゚)
まさかとは思っていた。しかしそんなはずが無いから何度も払拭していた。
しかし、もはやそれ以外に考えられない。
内藤ホライゾン、20歳、フリーター。
彼は突然。
(;゚ω゚)「……過去の日本にきちゃったああああああ!!!???」
(;´・ω・`)「!?」
タイムスリップしてしまったようだ。
明応五年。1496年の日本へと。
第一話 終
最初のコメントを投稿しよう!