第一話 「時間越え」

7/7
前へ
/38ページ
次へ
 ブーンは紙とペンをジーンズのポケットにしまい、先ほどの変な物体とピックをギターに挟んだ。  ギターのストラップを肩にかけていざ立ち上がろうと前を見ると、男が手を差し伸ばしていた。     (´・ω・`)「俺は太田渚本介(しょぼんのすけ)だ。宜しくな」 ( ^ω^)「…よろしくですお」      手を握り返し、勢いよく立ち上がる。  渚本介はブーンのギターに興味津々で、歩きながらギターについての質問ばかりをブーンにぶつけた。  何故か会話が噛み合わない時がいくつかあったが、それでもブーンは悪い気はせず、生き生きと答えていった。    そして、歩くこと約30分。  森がだいぶ開けてきた頃、渚本介が前を指差した。     (´・ω・`)「見えてきたぞ、あれが二子堂城の城下町だ」 ( ^ω^)「へーあれが……」 ( ^ω^)「……え?」      二人の目の前に広がっているのは、静かな城下町だった。  ブーンにとってはテレビでしか見たことないような、何百年か前の日本の木造の家や店が並んでいる。  そして道行く人々の格好。まさに大河ドラマで何度も見たそれだ。     (´・ω・`)「ふむ、思っていたよりは賑わいのある町だな」 ( ゚ω゚)  ここが赤坂?いやいやいやそんなわけがない。  ほら、だってこの町の向こうにはビルが……   ( ゚ω゚)「無い」 (´・ω・`)「え?」    無い。何も無い。  見渡す限り、森と山しかない。   ( ゚ω゚)    まさかとは思っていた。しかしそんなはずが無いから何度も払拭していた。  しかし、もはやそれ以外に考えられない。    内藤ホライゾン、20歳、フリーター。  彼は突然。   (;゚ω゚)「……過去の日本にきちゃったああああああ!!!???」 (;´・ω・`)「!?」    タイムスリップしてしまったようだ。  明応五年。1496年の日本へと。     第一話 終
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加