第二話 「二子厨の庄と銭」

2/13
前へ
/38ページ
次へ
 またも取り乱し始めたブーンを、渚本介が落ち着かせた。  とりあえずは宿だ、宿を探して話を整理しよう。ということで、二人は城下町に降りた。  渚本介の話によると、この町は二子厨の庄と呼ばれており、二子堂城にはその二子厨一族の頭(かしら)が住んでいるらしい。  小さな庄で人は少ないが、景気のいい町としてこの近辺では有名な土地らしい。     (;^ω^)「……」 <南蛮人かしら… ヒソヒソ <きっとそうよ…あんな妙な衣は見たことないわ… ヒソヒソ (;^ω^)「……」 <なんだぁ?あいつが持ってるあの道具は <シッ!声がでけぇよ!ありゃ南蛮の農具だろうよ… ヒソヒソ  ずんずんと進んでいく渚本介と、その後ろをコソコソ歩くブーン。  しかし、町の人間は皆ブーンという奇妙な人間に注目していた。  それが恥ずかしいやら腹立たしいやらで、ブーンは顔を下に向けながら歩き続けた。     (;^ω^)(ギターを農具だと…包茎共め) (´・ω・`)「どうした?」 (;^ω^)「い、いえ何も」 (´・ω・`)「ふむ、着いたぞ。ここが宿場だな」 ( ^ω^)「お?」      渚本介が向いている先を見上げると、そこには周りに比べて少し大きな、二階建ての家があった。  入り口には三十路に達したばかりのような、若い男が座っている。
/38ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加