11人が本棚に入れています
本棚に追加
またも取り乱し始めたブーンを、渚本介が落ち着かせた。
とりあえずは宿だ、宿を探して話を整理しよう。ということで、二人は城下町に降りた。
渚本介の話によると、この町は二子厨の庄と呼ばれており、二子堂城にはその二子厨一族の頭(かしら)が住んでいるらしい。
小さな庄で人は少ないが、景気のいい町としてこの近辺では有名な土地らしい。
(;^ω^)「……」
<南蛮人かしら… ヒソヒソ
<きっとそうよ…あんな妙な衣は見たことないわ… ヒソヒソ
(;^ω^)「……」
<なんだぁ?あいつが持ってるあの道具は
<シッ!声がでけぇよ!ありゃ南蛮の農具だろうよ… ヒソヒソ
ずんずんと進んでいく渚本介と、その後ろをコソコソ歩くブーン。
しかし、町の人間は皆ブーンという奇妙な人間に注目していた。
それが恥ずかしいやら腹立たしいやらで、ブーンは顔を下に向けながら歩き続けた。
(;^ω^)(ギターを農具だと…包茎共め)
(´・ω・`)「どうした?」
(;^ω^)「い、いえ何も」
(´・ω・`)「ふむ、着いたぞ。ここが宿場だな」
( ^ω^)「お?」
渚本介が向いている先を見上げると、そこには周りに比べて少し大きな、二階建ての家があった。
入り口には三十路に達したばかりのような、若い男が座っている。
最初のコメントを投稿しよう!