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(;^ω^)「えっ…」
男の提案は、あれほど熱弁したブーンの楽器の腕前を確かめたかったのもあるが、まずはブーンの愛する音楽で本人に落ち着いてもらおうと思ったからだ。
ブーンの真正面にしゃがみこんで、男は完全に聴き手の側に回った。
(;^ω^)「えっと、何を弾けばいいのかな…」
(´・ω・`)「お前の好きにしてくれ」
(;^ω^)「わ、わかりましたお。じゃあさっき作曲したやつを」
(´・ω・`)「作曲?ほう、曲作りを手掛けるということか。聴かせてくれ」
(;^ω^)「わかりました…いきますお」
ライブハウスでのライブよりも妙に緊張したが、ピックを摘むと自然に落ち着いていった。
先ほど楽譜を書いていたルーズリーフを見ながら、ブーンは演奏を始めた。
( ^ω^)♪~♪♪~
(´・ω・`)「……」
落ち着いたテンポの、優しい音色が森中に響いていく。
今回作った曲のイメージはこうだ。孤独な男が街の中をひたすら歩いている。その景色の一つ一つの優しさと、孤独な自分への嫌悪感で、男は悲しいような切ないような、胸が締め付けられるような想いに駆られていく。
孤独で、優しくて、切ない音色が、森の中に鳴り響いていく。
最後のゆっくりとしたF♯のアルペジオで、曲は終わった。
(´・ω・`)「……」
( ^ω^)「…終わりですお」
(´・ω・`)「……」
( ^ω^)「あのー…」
(´゚ω゚`)「素晴らしいッ!!!」
(;^ω^)「うおっ!?」
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