神無月のオールナイト日ノ国

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「はーいどうもー、神無月のオールナイト日ノ国。 パーソナリティーを務めますのは、戦いの女神ヴァルキューレ…… 又の名を……幕末純情乙女、神無月……でーす」 「イズミでーす」 「……ヴァルさぁ、何でそんなテンション低いの。 しかも、棒読みだしさ…… つーか、自己紹介で乙女とか、戦いの女神とか言っちゃうの……痛いよね。 恥ずかしくないの?」 「とやかく言う君も、頗るテンションが低いじゃないか。 それと、痛いと言うな……好きで言っている訳じゃない。台本だ、台本。 では、逆に聞くが君の台本には、名前しか無かったのか? それはそれで、不公平と言うものじゃないか。 人間は公平、不公平に拘るのだろう?ほら、見せるんだ」 「あっ!ちょっと!」 「……へぇ、君は随分と姑息な真似をしてくれるね。 儚くも美しい第二のヒロイン……のイズミくん?」 「台本のミスだろうから、言わなかっただけだって…… ほら、ヒロインって一般的に、女主人公の事を言うじゃないか」 「僕は、間違いだとは思わないけどね。 下手したら、君の方がヒロインっぽい顔してるぞ、姫」 「姫って言ったね?俺が、そう呼ばれるの嫌いって知ってるよね?」 「……イズミ、君は何故ブースに銃を所持しているんだ? それよりも、僕を撃っても無駄だと知っているだろう? ブース内が赤く染まるだけで、掃除のおばちゃんが困るだけだ」 「……馬鹿だね、ヴァルを撃つ訳ないじゃないか。 この台本を書いた元凶でもある、千藤を狙っているんだよ。 ヴァル、もう少し頭を避けてくれる? 上手く狙えないから」 「仕方ないな。 では、君が彼女を抹殺している間に、僕はこの台本を復元不可能になまでに…… いや、まず手始めに、このラジオ局を壊そうか」 「ラジオの最後には、一発の銃声と爆音が轟いたと言う。 その後、リスナーからの問い合わせが殺到するも、千藤の安否は確認出来ず…… 後に、ラジオ局も神隠しの如く、消えてしまったらしい……なーんちゃって」 「イズミ、君はそんなキャラだったか?」 「……まさか、これも台本だよ」
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