RPGの裏側

2/25
4人が本棚に入れています
本棚に追加
/27ページ
気味の悪い大きな城の王座に座るツインテールの少女が肘をつきながら前に膝まづく部下に訊ねた。 「ねぇ、勇者くんは今何歳くらい?」 部下に訊ねるその顔は赤くなり、目はとろんとなっていた。 まさに恋する乙女である。 「ただいま5歳でございます」 部下は書類を見ながら言った。 (もうそんなに大きくなったんだぁ……。 あともうちょっとで会えるね、勇者くん!) その少女、いや魔王はウキウキとしながら考えていた。 (そろそろ宝箱にいれる武器とか防具とか発注しないとな……) 魔王は赤い髪をいじりながら悶々と考える。 「あの、魔王様……」 「ねぇ、そろそろ武器と防具、受注しといて」 「はっ!」 部下がなにか言いかけたのを遮ると頼んだ。 部下は不服そうであったが、素直に従った。 (ふふふっ、喜ぶかなぁ、勇者くん) 恋は盲目なり、である。
/27ページ

最初のコメントを投稿しよう!