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宝石の様にキラキラ輝く太陽の光を
見上げていた。
風は木々を揺らし葉を巻き込んで遠くへ運んでいく。
蒸気機関車の煙が私を横切った。
普通の人はここで咳き込むが私の場合慣れてしまったので余り気にならない。
あ、そうそう私の名は鈷畔
ごく普通の高校3年女子
この町には随分前から住んでいる。
皆が憧れるような場所である。
「鈷畔!また空ばっか見てるの?勉強しなさい!夏休みだからってダラダラしないの!」
母さんは毎日の様にお決まりのセリフを言う。
「待ってー。もうちょっとしたらやるってー。」
私も毎日の様に同じ言葉を返す。
「毎回そうじゃない…。さっさとやりなさい!」
「あー、もう分かったよー」
私はゆっくりと体起こし部屋へ向かった。
課題を出すと、鞄からiPodを出し、イヤホンを付け再生ボタンを押す。
音楽が流れ始めると同時にシャーペンを持ち課題をやり始める。
音楽を聴きながらだとスムーズに進む気がするのだ。
それと音楽は大好きだった。
手放さないで欠かさず聴いている。
「後、もうちょっとだ!」
サッサッサ……
「終わったー!」
私は冒険に行くための準備を慌ててした。
この町の事をもっと知りたいし、自然が大好きだからもっと多くの植物と友達になりたい。
ドタバタしながら階段を降りるとその先には母さんがしかめっ面をして立っていた。
「どこ行くつもりなの?宿題はちゃんとやったでしょうね?」
「やったやった!今日は冒険に行くの!」
「ほんとかしら…まぁ気を付けていって来なさい。」
「いってきまーす!」
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