よくいる私の話

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ようだ、というのもヘッドフォンを付けていて私に話しかけたのかもよく聞こえなかったのだ。 私はナンパだと思い込むことにし明らかな嫌悪感を顔に出す。 するとまたもや急にヘッドフォンを取られた。最悪だ。 耳の中に都会ならでは雑音が入ってくる。私はこれが嫌いだ。ますます嫌悪感をむき出しにした。 「まぁまぁ、そんな顔しないで。最近の女子高生は何聞いてんの?」 そう私に質問を投げつつ男の意識は男の耳に付けられた私のヘッドフォンに移っているのが表情から読み取れる。 年上でさえこうも馬鹿丸出しとは。我が国ももう落ち目なのかもしれない。
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