よくいる私の話

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「あの…、すいません。返してもらえますか?」 極力目を合わせないようにしながら男に言い放つ。 しかしその目を合わせないという行為が逆に男を調子づかせてしまったようだ。 「そんなつまんないこと言わないでよ~。お兄さんたちと良い事しない?もちろんタダで」 そう言うと二人の男はゲラゲラと卑猥な笑い声をあげた。 何が面白いのかわからないし、お前らの方がつまんねぇよと思ったが寸前の所で言葉に出すには至らなかった。 「いえ、結構ですから返してください…っ!」 また目を合わせないように今度は強気の口調で言った。 「はぁ?せっかく誘ってんのにお前生意気。おい、連れてくぞ」 男がもう一人の男に合図を送ると私はおもいっきり引っ張られた。
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