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神様なんているはずもない。
俺は今までそう思ってきた。
たとえどんなにいい行いをしても、その報いは安いものばかり。
感謝しているヒトの笑顔がうれしいなんざ言ってる偽善者も、見ていてむしずが走る。
俺はこういう捻くれた性格だ。
環境か何かが俺をこうしたのかもしれないが、俺はこのままの人間である。
「ツマンネ」
まったく、何が楽しくてガッコーなどに行かなければならないのか。
重いカバンを背中に貼り付けて、コンクリートの塊に自分から入らなくてはならない。
それはまだいいとしても、なぜ他人と関わらなくてはいけないかが分からない。
……そう、俺はいわゆるぼっちなのだ。
グループに入れないわけでもない。
ただ他人がいらないだけだ。
「熱い……、」
俺は今、美術の時間で屋上からの風景画を描いている。
夏本番になる前にもかかわらず、6月下旬は猛暑であった。
空と建物を描くのだが、これはまた面倒である。
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