【1】目を合わせれば

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 神様なんているはずもない。  俺は今までそう思ってきた。     たとえどんなにいい行いをしても、その報いは安いものばかり。    感謝しているヒトの笑顔がうれしいなんざ言ってる偽善者も、見ていてむしずが走る。  俺はこういう捻くれた性格だ。    環境か何かが俺をこうしたのかもしれないが、俺はこのままの人間である。  「ツマンネ」   まったく、何が楽しくてガッコーなどに行かなければならないのか。  重いカバンを背中に貼り付けて、コンクリートの塊に自分から入らなくてはならない。  それはまだいいとしても、なぜ他人と関わらなくてはいけないかが分からない。  ……そう、俺はいわゆるぼっちなのだ。  グループに入れないわけでもない。  ただ他人がいらないだけだ。  「熱い……、」  俺は今、美術の時間で屋上からの風景画を描いている。  夏本番になる前にもかかわらず、6月下旬は猛暑であった。  空と建物を描くのだが、これはまた面倒である。
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