2人が本棚に入れています
本棚に追加
/10ページ
あんなただあるだけの空なんざ描いてなにがいいんだか、俺にはわからない。
神様は俺の学年成績を見ても何もくれやしないのに、このような試練をよく与える。
いや、そもそも信じていないのだが。
「うま!? お前絵描けたんだ」
同じクラスの男子が、俺の絵を見て突然話掛けてきた。
「……」
「お前すげーな、俺にもおしえてくれよ!」
いつしか、その声に五人ほど集まってきた。
ただでさえ暑苦しいのに、厄介な奴らだ。
「俺は今集中してんだ、話し掛けんな」
「はあ!?」
「そーいやこういうヤツだったな、行こうぜ」
こうやていつも俺は他人を突け離す。
昔からこうである。
何のメリットにもならない格下の他人なんて関わっても意味がない。
そう、もう一度言うが、俺は捻くれた性格である。
自分でもイヤなほどプライドの高い精神。
最初のコメントを投稿しよう!