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もちろん、あの男達ではない。
女の声。
俺はそこで静かに振り返ると、そこにはやはりあの絵の少女がいた。
「……」
また、俺は始め黙り込む。
しかし、
「キミ、名前はなんていうの? 同じクラスなのにあんまり知らないし」
そう、にこやかに話を続ける彼女。
絵の方を向く俺に、彼女は囁くように言った。
「私の名前は小鳥遊 空(たかなし そら)。よろしくね」
空と名乗る彼女は、俺の無言の訴えを無視しながら続ける。
「私は言ったよ、キミの名前は?」
もちろん無視だ。
こんなのと関わっている場合ではない、と思っていたのだが。
「……香山 当夜(かやま とうや)」
勝手に、俺の口はそう言ったのである。
なんの気まぐれか、俺は名乗ってしまったのである。
ってか、学校始まって名前すら把握してないのかよコイツ……。
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