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「お前ら口上統一しろ、なんで一人一人違ぇんだろ! 服装統一しろ、緑が和、赤が洋、青が中ってむしろ逆統一してんだよ! 武器統一しろ、赤緑の二人はステッキなのに青が碇なんだよ! 名前統一しろ、宝石にアンカー入れてんじゃねえよ! 変身アイテム統一しろ他普通な玩具みたいなのになんで青、お前変身ベルトなんだよ!
他にも色々あるが、疲れたから纏めて一言で言うと、統一しろ!!」
久しぶりに全力ツッコミをしてしまった。息切れを収めながらふと、赤、青、緑の順に顔を何度も繰り返し凝視する。
「え、えぇと……。いきなり叫んでどうしたのお兄……じゃなかった、どうしたの貴方」
「……………………」
俺は、ふぅ……と体から力を抜き、目を伏せて遠い目をして悟った。
「……ごめっ、ほんとごめっ。うん、そうだな、俺が間違っていたよ。魔法少女だからな、うん、帰ろう」
「ちょ、ちょっ……、どうしたのお兄……貴方」
「うん別に何も言うことはない、言うことはないぞ妹……」
「えっ……じゃなくて、私は貴方の妹ではないです!」
あれな、髪とか要所要所ちがうが、妹が赤で、
「……大丈夫、まだ大丈夫だから」
「あの、大丈夫ですか?」
「はい、大丈夫ですし、邪魔にならないよう避難します」
青は俺んち居候の妹の友達、緑もよく遊びに来る妹の友達。つーか覗き込むな、敵どうした。
まあ、俺の立場がよくわかった。巻き込まれつつも、気付かないってポゼション。
だけど俺、今日気分的に疲れたから家帰って寝る。現実逃避はわかってる。今は逃げさせろ。
振り返らず、まっすぐ一直に家路についてベッドに籠った。
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