拓海と琉衣

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車のドアを丁寧に閉めて歩き出した。 濃紺のブレザーにグレーに黒のチェックのズボン。 そして彼もまた1年生のようで赤いネクタイをしていた。 今にもスキップするんじゃないかと思うくらい、ニコニコと笑いながら周りがざわめいているのをまったく気にせず進んでいく。 薄紅色の桜が咲き乱れる中それはまるで映画のワンシーンのようだった。 色白でクリクリとした大きな目にさくらんぼのような薄いピンク色の唇。 ちょっとくせ毛なのが逆に茶色い髪を引き立たせているようで、思わず手を伸ばしたくなるようなフワフワした印象を持たせた。 キョロキョロと辺りを見回し何かを見つけたかと思うと駆け出し、目の前の標的に突進する。
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