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PiPiPiPi…
PiPiPiPi…
俯せで眠っていたあたしは、意識の遠くで聞こえる目覚まし時計を手探りで探しスイッチを押した。
あまり寝返りをせずに眠っていたようで、四つん這いになって少し伸びをしただけでバキバキと体が悲鳴を上げている。
ふと枕を見ると涙で濡れてしみになっていた。
「またあの夢…か」
まぶたに残る涙の跡を手の平で拭き取りため息をついた。
もう何度夢見たことか…。数えきれない程だ。
目覚めると泣いていた自分に気がつく。
忘れるな――――。
いつでも胸に刻み付けろ―――と言わんばかりに、
何度も、何度も……。
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