始まりの合図

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階段を駆け降りて、渡り廊下の先に見える扉の前で深呼吸を1つして、 「おはようございます!」 ペコンと頭を下げ、中に入った。 そこにはまるで1流レストランの厨房のような雰囲気を漂わせるキッチンで、エプロンに三角巾・マスク姿の女性達がそれぞれに仕事をしている。 「あら、あやめちゃん。今日も早いのね!」 「おはよう。あやめチャン」 声を掛けてくれるひとりひとりに挨拶していると、 「あやめちゃん、まずそこのキャベツ千切りね!」 「分かりました」 1番奥のコンロの所で大槻さんが卵焼きを作りながら皆に指示を飛ばす。 あたしはシンクで念入りに手を洗いながら壁に貼ってある今朝の献立に目を通す。
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