始まりの合図

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ここは皇花学院大学の学生寮。 あたしは先月からここに住み込みで働かせてもらっている。 最初は作る量に圧倒され、ぎこちなかった包丁捌きも今はだいぶ見られるようになったと褒められたばかりだ。 俄然、気合いを入れて作業に没頭するのだがここで働く皆さんはスピーディーで動きに無駄がない。 連携が取れているから短時間で大人数の料理を仕上げてしまうのだ。 そんな学生寮の食堂のアルバイト募集(住み込み可)のポスターを見つけたのは、合格発表の寒い日だった。 それを見つけたあたしはすぐにそのポスターを握りしめて食堂へ走った。 ホントはもっと腕の立つ人材が欲しかったらしいが、事情を話すと 「じゃあ花嫁修業だと思ってビシバシやってくから覚悟してね!」 明るい笑顔で内定してくれたのが大槻さんだった。 日の光が窓から射してくる頃になると、ポツポツとまばらに人が集まり出す。 基本はセルフサービスなので配膳などはないが、混雑時はひたすら皿洗いをしていて忙しくなる。
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