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「……ったく、いっこ上だからって偉そうにすんじゃねーっての」
鞄を放り投げ、ベッドにおもむろに倒れこみ、ふかふかの枕に顔をうずめる。
「…………はぁ……」
深いため息を漏らしながら、体を仰向けに戻して天井を見つめた。
ーー来年また学校でね、か……。
俺はどんな顔して会えばいいんだよ
。
つか、西村は何もなかったように話をしてくるんだろうか?
ああ……そりゃそうか、あいつにとって告白なんて日常茶飯事みたいなもんだろうし、そもそも俺なんて眼中にすらなかったんだろうな。
ーーもう、普通に、話なんて……。
「……告白……するん、じゃなか、った……」
目頭が熱くなる。視界がじわじわと歪んでいく……考えれば考えるほど、しめつけられるように胸が痛む。
「……明日から冬休みだし、時間が立てば忘れられるだろ……。今日は、もう寝よう……」
言って、ごしごしと手の甲で乱暴に涙を拭うと、布団を掴み頭まで一気に被ったーーそのとき。
ドンドン!
と、部屋のドアが荒々しく叩かれた。
「うぉーい! かえでー! お前の愛しのパパンだぞー」
……親父かよ。つか、何だよ愛しのパパンて、気持ちわりい。
「おんや、無視しちゃって恥ずかしいのかな? もう、パパ困っちゃう! アイラブ楓、入ってもいいかなー?」
「……生憎ですが、そんな人はいません。お引き取りくださーー」
そこまで言った瞬間、ドアがバーンと勢いよく開き、
「いいともー!」
「人の話聞けよっっっっ!!」
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