~change・1~ 苦悩の始まりは突然に

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  「……ったく、いっこ上だからって偉そうにすんじゃねーっての」 鞄を放り投げ、ベッドにおもむろに倒れこみ、ふかふかの枕に顔をうずめる。 「…………はぁ……」 深いため息を漏らしながら、体を仰向けに戻して天井を見つめた。 ーー来年また学校でね、か……。 俺はどんな顔して会えばいいんだよ 。 つか、西村は何もなかったように話をしてくるんだろうか? ああ……そりゃそうか、あいつにとって告白なんて日常茶飯事みたいなもんだろうし、そもそも俺なんて眼中にすらなかったんだろうな。 ーーもう、普通に、話なんて……。 「……告白……するん、じゃなか、った……」 目頭が熱くなる。視界がじわじわと歪んでいく……考えれば考えるほど、しめつけられるように胸が痛む。 「……明日から冬休みだし、時間が立てば忘れられるだろ……。今日は、もう寝よう……」 言って、ごしごしと手の甲で乱暴に涙を拭うと、布団を掴み頭まで一気に被ったーーそのとき。 ドンドン! と、部屋のドアが荒々しく叩かれた。 「うぉーい! かえでー! お前の愛しのパパンだぞー」 ……親父かよ。つか、何だよ愛しのパパンて、気持ちわりい。 「おんや、無視しちゃって恥ずかしいのかな? もう、パパ困っちゃう! アイラブ楓、入ってもいいかなー?」 「……生憎ですが、そんな人はいません。お引き取りくださーー」 そこまで言った瞬間、ドアがバーンと勢いよく開き、 「いいともー!」 「人の話聞けよっっっっ!!」
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