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「先生。僕は熱はないと思う」
僕の言葉に先生は不思議そうな視線を向ける。
「具合が悪いんじゃないのか?」
「違うんです。実は正広が……」
保健室の常連だった僕に連れ添っていた正広は保健の先生とも良く話していた。
「正広がどうかしたのか?」
先生が正広を覚えていたことに安心する。
「あっ、いえなんでもないです。なんか具合も良くなったんで戻ります」
正広の名前が他の人から出たことで僕はすっかり安心したんだ。
正広は消えてない。ただ風邪かなんかで休んでいるだけなんだ。
心が軽くなった僕は先生に挨拶をしてクラスに戻ったんだ。
それが大きな間違いだとも知らずに。
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