天を掴めば

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「正広?正広って誰だ?うちにそんな生徒いたか?」 「っ!?」  それ以上そこにいるのが怖くなって踵を返して走り出した。  後ろから先生が呼び止めているのが聞こえたが止まることは出来なかった。  クラスに戻る気にもならず、昇降口へと向かう。  授業開始のチャイムが鳴った。僕は上履きから下履きに履き替えると逃げるように学校を飛び出した。  どこへ向かえばいいか分からないまま走り続けていたら正広のアパートにたどり着いた。  無意識に確かめたい気持ちが強くなっていたのかも知れない。
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