天を掴めば

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 暫くすると先生が来て出席を取り始める。先生なら何か事情を知っているかも知れないし、その事情を話してくれるかもしれない。それを期待した。でも、あろうことか正広の名前は読み上げれることはなく、クラスメートの誰もおかしいと思わないのか反応はなかった。  そうなるといよいよ正広の言葉に真実味が帯びてくる。  正広が消えた。  果たしてそんなことが有りうるのだろうか。  でも、実際に正広は僕の前からいなくなった。  考えれば考える程不安は大きくなり抑えられなくなっていく。
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