00.淡桃クラブハイ

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金属ノブの回る音がして、外からぞろぞろと人が入ってきた。 一番前の大柄な男がでかい口を開けて叫ぶ。 「ただいま悪魔閻魔様ーってかぁ!」 耳が痛い! キーンてしてる! 「おん? 誰だ、こいつぁ」 大柄な男は僕に気づいたらしく、僕を見て桃花に視線を移して説明を求めた。 僕も同じ理由で促すように桃花を見る。 「あー…えーっと、先ずはこのでっっかい人ね! 名前は岳門 鎧亜(たけかど がいあ)。身長は195cm、如何にも強そうって感じでしょ。実は意外な弱点があってね…」 そこまででいい、と鎧亜が止めに入り改めて質問する。 「そっちの訪問者は?」 「黒塚秋人くん、新しい入部者よ。あ、そういえば入部届けは出したの?」 「え、誰に?」 「勿論、顧問によ。SF部顧問、木村ロビンソン先生よ」 誰だよ! ハーフか!? 縁柏高校に二年いて一度も聞いたことがない! 誰だよ! 「出してないのなら出しに行かなきゃね。後で紙を渡すわ。今は紹介が先ね、前に出てきて神夜くん」 彼女にそういうと大柄な鎧亜の後ろに隠れていた細身の男が前に出てきた。 「私の名は霧峰神夜(きりみね しんや)! 新人の秋人君だな! ようこそ我が根城へ! 此処は政府の監視から逃れた旧秘匿作戦本部ラグナロクだ! 私は此処の副本部長だ!!」 「足震えてんぞ」 威勢よく出てきた割りに膝が笑ってたところを指摘すると神夜は、ヒィッと情けない声を出して鎧亜の後ろに隠れた。 僕は桃花に向かって首を横に降る。 桃花は仕方ないなぁと言わんばかりの呆れ顔で口を開いた。 「新人ビビりなのよ、神夜君。新人には極端に恐怖を覚えるの」 「新人いびりじゃなくてか…?」 「神夜は桃花に怯えてるんだよ」 これまた鎧亜の影から出てきたのは爽やかな風貌の、笑顔が似合う男が出てきた。 「こいつは綾瀬 真弘(あやせ まひろ)、私の幼馴染み。いつもヘラヘラしてるから気持ち悪いけどね」 「ひどいなぁ…」 「ところで、神夜が桃花に怯えてるってどういうことですか?」 僕は素直に気になることを聞いてみた。 「ああ、それはね、新人だった桃花にトラウマを植え付けられたせいで、それ以来新人が来る度に桃花がフラッシュバックして恐怖に震えるんだ」 「一体何されたんですか…ていうかつい最近じゃないですか!」 僕はそこで、あることに気づいた。
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