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助けないと
心でそう思っても体が言うことを聞かない
一人が武道場の出口めがけ走った
しかし簡単に捕まってしまい、腕を食いちぎられる
悲鳴とともにおびただしい血液が流れだし、そのこもまた化け物の食べ物へと化した
化け物は食事が終わるとメインディッシュだと言わんばかりに残った最後の一人に近づいて行った
動けずただ迫りくる化け物を見つめていた
『助けないと』
そう呟くと和樹は俺の顔を睨み付け
「はぁ?
あんなのとどうやって戦うんだよ!」
『こいつがある』
和樹の目の前に模造刀を掲げた
『俺がこいつで切りかかってる間にあの子を…』
すると、和樹は俺の胸ぐらを掴み
「は?
あほかお前?!
模造刀でなにが出来るっていうんだよ?!
それにそんなことしたらおまえが…」
『じゃどうすりゃいいんだよ!
お前は彼女を見殺しにすんのか?』
和樹は俺の問いかけに黙ってうつ向いている
『……なら俺一人で行く』
刀を手に立ち上がろうとした瞬間に和樹が俺の腕を掴む
「バカやろう
……2対1ならなんとかなるかもしんね~だろ」
『本気で言ってんのか?
もしかしたら死ぬかもしれないんだぞ…』
「……どうせ死ぬんなら女の子を助けて死にたいわ~」
そう言って和樹は笑っていた
『全く…
お前ってやつは』
俺らは馬鹿なんだろう
さっきまでびびってたくせに今はこの状況を楽しんでいるように感じる
そして気づくと俺達は刀を抜き化け物に向かっていった走っていた
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