始まり

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ジリジリと日光が照りつける屋上にて、このオレ――私立青蓮(しょうれん)学園でもっともイケメンと名高い高坂 朔夜(こうさかさくや)はある人物を待っていた。 くそアチい……。 マジか……、このオレを〝こんなに〟待たせるか。 かれこれ十分は待っているだろう。 たかが十分だが、この灼熱の季節の十分はあまりにも辛い。 ――二日ほど前のこと。クラスの悪友たちとこんな話をした。 『ゲームに負けたヤツが男(ここ重要)に告る』 ……はい、負けました。 たしか、ババ抜きだった気がする。完璧なポーカーフェイスがまったく意味を成さなかった。 悪友Aは言った。 『じゃあ、アイツで』 クラスのある人物を指差しながら――。
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