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「ほいっ!出来た!」
ヤンバルクイナのヨナクの体には、カラフルな風船が結ばれた。
「アマミノクロウサギさん、ありがとね。何だか体がすんごーく軽くなったよ。今すぐ空に飛べそうだよ!」
「そうでしょ!だって、この『あまんちゅの実』の中には体を浮かす軽ーい養分が入ってるからねえ。」「ふーん。」
「ヤンバルクイナさん。ちょっと力を抜いて、息を吸って吐いて、『なんくるないさ』と唱えてみて。」
ヤンバルクイナのヨナクは、アマミノクロウサギのセンカの言う通りに、ゆっくりと体の力を抜いて、息をゆっくり吸って、吐いて、
「なんくるないさぁー!」
ふうわり・・・
すると、どんどんどんどんヤンバルクイナのヨナクは宙に浮き、どんどんどんどん浮かんでいった。
「わぁーい!!浮いた浮いた!!わん(僕)、飛んでいるぅー!」
ヤンバルクイナのヨナクは思わず、感嘆の声をあげた。
「ん?何かやばくね?」 ノグチゲラのフテンは、上を見上げた。
そこには、マングローブの枝がわさわさと繁っていた。
「うわっ!あぶねっ!」
ノグチゲラのフテンはとっさに飛び立ち、ヤンバルクイナのヨナクの尾羽を嘴にくわえて引き下ろした。
「ふう・・・。危うく風船が尖ったマングローブの枝に触れるとこだった!んもう!風船を取り扱うのを気をつけろよな、割れると墜落して大怪我すっから。命綱と同じなんだからな。あんたの結んである風船は。」
「はぁーい!ノグチゲラさん。分かりましたぁ!」
ヤンバルクイナのヨナクは気前よく返事をした。
「さてと・・・うっ!」
ノグチゲラのフテンの嘴が、突然上につき上がった。
「う・・・上に持ってかれる!」
ばさばさばさ!
ノグチゲラのフテンは、ヤンバルクイナを地面に戻そうと必死に羽ばたいた。
「あぶねあぶね・・・あっそーだー!ねえ、イリオモテヤマネコさーん!!」「なあに?」
「お願いがあるんだけど。ヤンバルクイナを空中に飛んでいかないよに、抑えてぇ!」
「ええっ!風船割れるの怖い・・・!」イリオモテヤマネコのナゴは、一歩後退した。
「そんなこと言ってる場合かよ!早くヤンバルクイナを持って、森の外に持っていって!」
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