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「はぁーい!」ナゴは低調に返事した。
「ううう・・・風船怖い風船怖い風船怖い・・・」
イリオモテヤマネコのナゴは、風船の付いたヤンバルクイナのヨナクを口にくわえた。
「あがーっ(痛っ)!」「ごめん!ヤンバルクイナさん。牙触れた?優しく優しく・・・ん?ふふーんふふーん。」
ぴょんぴょんぴょん
イリオモテヤマネコのナゴはスキップを始めた。
「風船風船綺麗だなぁー!」
ナゴは、マングローブの森にそよぐ微風に揺れ動くカラフルな風船に見とれてスキップスキップ・・・
「やあ!イリオモテヤマネコさーん!やっぱり君も本音は風船が・・・。」
「ギクッ!」突然ノグチゲラのフテンに話しかけられたイリオモテヤマネコのナゴは、思わずヤンバルクイナのヨナクを口から離してしまった。
「あっ!やばっ!」
ひゅん!!ばっ!
「ん?」
突然何者かが飛んできて、離されて飛んでいく風船の付いたヤンバルクイナを捕まえた。
「ヤンバルクイナよお、飛ぶのを風船に任せっきりにしないで、自分で羽ばたいたらどうだ?」
ルリカケスのデナは、ヤンバルクイナのヨナクの風船の紐をくわえて、ヨナクに言い聞かせた。
「う・・・ん。」
辺りはマングローブの森の外の島の外れに来ていた。
「おい、カモノハシ!怯えてねーで、さっさと歩くんだよ!故郷に帰りたいんだろ!」
アマミノクロウサギのセンカは、ヨタヨタと歩くカモノハシのタッコをけしかけてやって来た。
「ねえ、ヤンバルクイナさん。」「なあに?」
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