6人が本棚に入れています
本棚に追加
「はぁっ、はぁっ」
乱れた呼吸を整えるため、木の影に隠れてしゃがみ込む。今にも肺が破裂しそうな程に苦しい。しかし奴らは疲労や苦痛にもお構いなしに襲って来る。悠長に休んでいる暇はない。
――ちくしょう見失った。どこだ?どこにいるんだ?
木の根本から覗き込むようにして辺りを見渡す。しかし視界に写るのは樹齢5000年を越す大樹ばかりである。
周囲は危険を含んだ沈黙に包まれていた。このままでは、いずれ奴らに見つかってしまう。
最初のコメントを投稿しよう!