プロローグ

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「そういえばアイツ、K大だって」 「ゲッ!マジで?」 「いかにも。だけどな」 「恋愛できなくて暇だったから、勉強がはかどったんだろ」 再び湧き上がる笑い声。 たいしたことじゃない。 残りのパスタを口に入れたけれど、味を感じる余裕は無かった。 結局、頭で強がっても実際は五感が狂うほどダメージを受けていると実感する。 早く出て行って欲しい。 お願い、私の存在に気づかないで。 会社まで戻るのにかかる時間を考えると、そろそろ店を出ないといけない。 席を立てば、間違いなく私の存在に気づかれてしまう。 私は時計との睨めっこを続けていた。
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