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タイムリミットだ。
私は意を決して立ち上がる。
背もたれの影になって見えていなかった私が突然現れたことで、水を打ったように静まり返った集団。
そりゃ、こうなるよね。
私はそちらに視線を送ること無く、平静を装って集団のテーブルの横を通り過ぎた。
「やばっ!」
クスクス。
「もしかして聞こえてたかな?」
ケタケタ。
「ま、聞こえてても良くない?」
ゲラゲラ。
わざと聞こえるように言ってる。
『聞こえてたっていい』
イコール、私にどう思われようと、嫌われようと関係ないってこと。
女として、いや、人として圏外扱い。
女として魅力があるとは、そもそも自分でも思ってないけれど、人間性を否定されるほどアイツらと接点があるわけじゃない。
なのに何で平気でそんなことが言えるの・・・。
静まり返ることは予想してたけど、更に追い打ちを掛けられたのは想定外だった。
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