プロローグ

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あ、この人は確か一昨日配属になった・・・ 誰だっけ? 興味も無いから名前覚えてないや。 「あ、ごめん。人に名前を尋ねる時は、自分からだよね」 悪い悪いと頭を掻きながら笑う男。 きっとこの人は、私が名前を覚えてないことを察知したんだ。 「いいえ。名乗って頂かなくて結構です。失礼します」 名前は覚えてないけれど、さっきの悪口集団の中に居たことは覚えてる。 まぁ、一昨日来たばかりで、今私の名前を確認したくらいだから、悪口は言えないだろうけど。 どの道数日すれば、集団と同化していくんでしょ。 私はスタスタと歩き始める。 悪口に参加するためのターゲット確認なんかに時間を取られてたまるもんか。 圏外扱いされる私にだって、プライドがあるのよ。 私はその男を出来るだけ冷たくあしらった。
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