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駅まで送ると言って聞かない未央君にデジャヴを感じながら私と未央君は駅へと足を向かわせた。
「なんか、思い出しますね?あの時のこと、俺がトンチンカンなこと言った時のこと」
同じことを考えてただけに、私はクスクスと笑ってそうねと返事をした。本当のことは言えないけどとも思いながら。
「ねぇ、ゆーちゃん。宮野先輩は本当に、ゆーちゃんのことが大好きだよ。俺も、ゆーちゃんのこと好きだけど、好きの度合いが違うもん」
「宮野の話はしないで、私はもう同じ世界に生きてないから。遠くから想うって決めたのよ」
「相田君と宮野先輩って似てますよね。すごく似てる。顔とかじゃなくて、うまく説明出来ないけど、ねぇもしも相田君に宮野先輩を重ねてみてるなら」
そこで一度言葉をきって、未央君は息を大きくすって吐いた。
「俺は、ゆーちゃんを許さない。宮野先輩の代わりなんて相田君に務まるわけないんだから」
「優志の代わりを作る気なんてないよ。相田君が宮野に似てるっていうのは否定できないけど」
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