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「主様~」
九?は、走りながら叫んだ。
「なんだ、九?」
銀色の髪に犬のような耳としっぽ金色の瞳、赤っぽい袴を着た18歳くらいの青年が木の上で笑っていた。
「主様、人の子が山に入り込んでおりまする」
九?は、頭を下げながら言いました。
「そうか・・・わかった行け」
主様と呼ばれる青年は、笑いながら低い声で言いはなった。
「・・・?」
黒揚羽蝶は、何かを感じ取った。
「黒揚羽どうしたの?」
鈴は、黒揚羽蝶の顔を覗き込みながら言った。
「なにか・・・、なにかが来る・・・っ危ないっ」
黒揚羽蝶は、慌てて鈴を抱きかかえて数メートル先に飛びました。
「痛た・・・、ってあれはっ・・・」
鈴は、後ずさりしながらあるものを見て震えていました。
鈴の視線の先には、銀色の狼が居ました。
「ここを去れ人の子」
銀色の狼は、人の姿になって言い放った。
「あなたもしかして、山の主さん?」
黒揚羽蝶は、笑顔で聞いた。
「あぁそうだ、だから山から去れ」
銀色の髪の青年に化けた狼が言いました。
「な、仲間になってください」
鈴は、そう叫んだ。
「ハァ?あいにく俺は自分より弱い者について行く気はない。それに、俺の名前も知らないだろ」
「じゃ、じゃあ名前を教えてください。私は、鈴そっちが妖刀黒揚羽蝶」
「俺は銀狼だ、あとおまえが俺と戦って勝ったら仲間になってやる」
「あ、ありがとうございますっ」
鈴は、頭を下げた。
そうすると、銀狼の手には太刀が握られていました。
鈴も手に黒揚羽蝶を、持ち身構えました。
「黒揚羽どうしよう私戦えないよ・・・」
鈴が、小声で言うと黒揚羽蝶の声が頭の中で聞こえました。
(大丈夫です。蛹と言った後に黒揚羽蝶の舞いと言ってください)
「さ、蛹っ」
「ん?消えただと?」
「え、私は見えるのにすごいじゃあ黒揚羽蝶の舞いっ」
「なんだ!?ハァッ」
刀から黒揚羽蝶が沢山出てきました。
だが、銀狼はざっぱざっぱと切ってしまいました。
「え・・・ど、どうしよう」
「もういいぜ、あんたは以外と強いもっと強くなったらまた戦おう」
「え、じゃあ」
鈴は、仲間になってもらえないかと思ったその時。
「仲間になってやる。今決着つけたらつまんねーだろ?」
銀狼は、ニカッと笑いました。
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