背中と風

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頭の中では緊張を別の感情で塗りつぶすために (こいつら呼び出しといて無言ってなんだよ) なんて強がっていた。 しかし俺は沈黙のプレッシャーに耐えられるほどのメンタルは持っていない。 思わず涙目になって、段々と足がガクガク哀れなほどに震えだした。 やってない。 やってないんだが、なんだか物凄くいけないことをした気分になって、足の震えは意思と反して収まるようには思えない。 その様子を見てか、一番年長の吉田先生がこう言ったんだ。 なんだ、今になって後悔か、もう取り返しつかんぞって。 遂に俺はダムが崩落したかのように感情が溢れでて、わんわんと泣いてしまったよ。
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