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手を高く 高くかざして掴んだものは今も掴めてるのか?
いつだって君は微笑むばかりで答えを曖昧にする
でも鳴り出した 運命の音
いつか開放される日はくるのか?今はただ寄る辺なく漂うだけ
もう失うものなんてないと思っていたのに
薄れてゆく君が笑っていた時の記憶
どんなに逃さないようにしても 指の隙間から漏れてゆくんだ
君の頬に触れて指でなぞっても 君は息を潜めたまま
ただ時間だけが無情にも過ぎてゆく
琥珀の月が君の肌を青白く染める
ざわざわと吹く風の音に花の香りが混じる
一陣の風に乗る桃色の花びらに春が来たことを知った
時間だけが過ぎゆく
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