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「詩織。その猫の回りになにか居なかったか? ほら、喧嘩相手の猫とかさ」
「私聞いちゃったの。走り去る人の足音」
「そ、そっか」
人為的による傷って事か。
だから詩織は不安になって、思い出して涙目になりながらも俺に話してくれたのか。
そんな詩織に対して俺が出来るのは、
「怖かったな、でもよく話してくれたね」
詩織の気持ちを落ち着かせる事だろう。
周りにクラスメートがいる事なんてお構い無しに詩織の頭を撫でる。
昔から詩織は頭を撫でられると落ち着きを取り戻すし、もし落ち着けなかったらそのまま人目も憚らず号泣しちゃうんだよ。
だから周りのクラスメートの視線には構ってられないんだ。
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