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「ち、違う!そういう意味で聞いた訳じゃない!」
俺の問いに腕を大きく振り、拒否の意を示す。
なにもそこまで大げさに否定しなくてもいいだろうに。此処までくると逆に欲しいと言っているようなもんだぞ?
「はぁ…。…どれがよかった?」
「は?」
「どれがよかったと聞いているんだ」
俺の質問の意味が分かっていないのかボケっとした表情で俺の方をじっと見ている。
が、俺の口調が少し強くなったところで少し慌て始めた。
「く、黒だ!黒の宝石が綺麗だった!」
黒か。
こいつは身につけるもの全て黒がいいのか?別に人のセンスに文句は付けないが、少しぐらい色を持ってもいいんじゃないか?
まぁ黒はこいつに似合いそうだけどな。っていうか似合うだろう。
「黒、か。まぁいいんじゃないか」
当たり障りがないように適当な返事を返しておく。
自分で聞いておきながら適当な返事である。
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