何で俺ばっかり…

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確かに気になるところではあるが…俺からしたら今すぐにでもここから出ていきたいな。勇者なんて立場になったこいつといれば俺がどうなるかなんて考えるまでもないからな。 「その属性と魔力を図るのはここじゃないとできないのか?」 「ん?ここじゃなくてもギルドって所があって、そこに入る際に検査があるらしいよ。僕もギルドの事に関してはまだ詳しく聞いてないからよく分からないんだよね。でもここの王都にギルドはあるって言ってたよ」  この馬鹿は俺が聞かなくても聞きたい事をスラスラと言ってくれるから本当に助かるな。そこだけは褒めてやろう。 「そうか…。なら話はもういいかな。俺の部屋ってのはあるのか?」  もう此処にいる必要もない。属性と魔力の検査はギルドでもすることができ、更にはギルドが此処にあるならもうこの城にいる必要はないだろう。  今日の夜にでもこの城を脱出する。警備の人間はいるかもしれないが、隠密行動に関しては心得があるからな。脱出も出来ると思う。 「リナが隣の部屋を使ってって言ってたよ。でももう部屋の方に行っちゃうの?」 「あぁ…ちょっと色々あって疲れたからな」
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