9531人が本棚に入れています
本棚に追加
突然松明が左手に現れた事を今此処で考えても仕方がなさそうなので先に進むことにする。この左手に現れた松明は魔法のせいだと思い込んでく。
正直今はこの松明なんかよりもこの部屋の奥にある何かが気になってしょうがない。
この部屋に入った途端に感じた禍々しい感じ。なんて表現したらいいのか分からないが、俺の胸を酷く躍らせる何かがこの奥にあると俺は確信している。
松明が突然出てくる事によって部屋の中が照らされるが、部屋の中には何もない。ただ、部屋の奥には更にもう一つの扉がある事がわかる。
一糸の期待と不安を胸に、その扉に手をかける。
そして扉に手をかけた瞬間に右手全体に鋭い痛みが走った。
「ッ!!!」
まるで右手全体を焼くかのような痛みが走り、その場にうずくまる。
何事かと右手を見てみると、そこには俺の右手全体を覆うかのように黒い霧が俺の腕を包み込んでいた。
そして痛みが段々と薄まっていくと同時に右手を包んでいた黒い霧は俺の右手全体に吸い込まれるかのように消えていく。
やがて痛みも消え、腕を包んでいた黒い霧も消えていく。完全に霧が消えたかと思えば、俺の右手全体には黒い模様がくっきりと残されていた。
「なんだよこれ…」
この世界に来てから突然の事態が多過ぎるだろ…。流石に頭の回転がおいつかねぇって。
痛みが消えた事を確認してから、改めて右手に刻まれた謎の模様に目を移す。が、腕全体を見渡しても何の模様かはさっぱり分からない。只気味の悪い刺青だとしか認識出来ない。
最初のコメントを投稿しよう!