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男みベタベタくっつかれても何も嬉しくねぇよ。それに視線がさっきよりも鋭くなってるんだよ。
その事に気づかない能天気な男にイラつきながらも表面上は笑顔を見繕う。今だけはこいつの親友を演じる。
「それじゃあ行くか」
「うん!」
笑顔で俺についてくる翔を見ながら常常思う。何で此奴はこんなにも能天気なんだと。
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「取り巻きが居ないと静かでいいな」
自宅に向かう帰り道に思わず本音がこぼれてしまう。
取り巻きとは先程教室で俺の方を睨んできた尻の軽い女共の事だ。
まぁ…外見も完璧で運動も勉強も出来る。更には金も持っているとくれば大抵の女は食いつくだろうな。
「そんな言い方は駄目だよ。皆いい子なんだよ?」
「…まともに話した事ないからそう言われても分からねぇよ」
翔の周りにむらがう女は翔の近くにいる人間を厄介払いするかのように追い払う為に俺自信翔に群がる女とはまともに話したことがない。
唯一言葉を交わしたのは最初にもいったバレンタインの時ぐらいだ。
「んー…。それもそうだね。冥夜はこのあと予定あるの?」
そう聞いてきた翔に大して嫌な予感を覚えつつもここは素直に答えておく。
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