悪餓鬼連艙弾 序

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 兵庫県にあるこの地域屈指の問題児高校、そして男子校ときている。  今どき、こんなむさい高校生活だなんてと嘆くがもう後の祭りである。 「おーい、松森。飯食いにいこうや、飯」  俺が振り返ると、切りそろえられた黒髪の童顔の男。  陣内正純、頭が悪くてここに来た俺とは違い家庭の事情でこの高校に来ている。  きっちりした髪型や風貌は、主にバイトの為である。 「悪いな、陣内。今日は勘弁」 「付き合い悪いやん。僕というものがありながら、まさかこれか?」  と陣内は小指を立てながらにやにやと笑う。 「ンなわけないやろ。ギルのとこだよ」 「あぁ、なるほど」
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