勇者系【鬱話】2【僧侶の日記】

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最後のページ 親愛なるあなたへ。 本当は、こうするべきじゃないのかもしれない。あなたに恨まれるかもしれない。 でも、あなたが必死になって残してくれた薬指は、きっと私がこうする為のものだと思う。 ごめんね、あなただけ残してしまって。 ごめんね、あなただけに背負わせて。 ごめんね、大好きだよ。 もし、私たちを知らない誰かが片手だけでいいから、片方の手のひら五本分だけでもいいから、私たちの手を取ってくれたのなら、どうか許してあげてください。 きっと世界は、人は、そこまで愚かでも傲慢でもないから。 もうそんな資格はないけれど、それでも最後に、神様にお祈りしようと思います。 ずっといっしょにいれますように またね。
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