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死ぬことのない彼らにとって 病とは無縁になったが
病院はそれなりに機能していた
病死はないが、怪我で死ぬことはあったのだ
ゾンビは腕が取れても死ぬことはないが、取れた腕は取れたままであった
数年前にスケボーでコケて足を失ったゾンビは 義足のメンテナンスのために
1ヶ月に1度は通院していた
怪我で体の一部を失うということもあってか 義足や義手といった技術はかなり向上した
そして、今日は新しい義足を試す日
片足のゾンビは スケルトンのハイテク機器が見える義足を装着すると
さっそく 病院内を走りまわっていた
自分勝手に好きなことをするゾンビたちが多い中
集団をまとめるゾンビたちもいた
ここ数年で、ようやく国家という概念が復活しだしていた
ゾンビたちは政治に興味はない なぜなら、生活の保証をそんなに気にしなくてすむようになったからだ
ゾンビが気にするのは電気が通っててTVとラジオが動けば大体生活できる
生活というより、暇つぶしが出来ればいいというのがゾンビたちの住む場所を選ぶ条件だった
だが、ゾンビも集団になれば色々と問題が起きる
ケンカを始めれば、死ぬことはないのでどちらかがバラバラになるまでやりだしてしまうのだ
そしてケンカも暇つぶしの一つなので暴れるのを楽しみにする奴もいた
色々と問題が出てきたため、やはり集団をまとめる存在が必要だという考えが出てきた
と言っても、彼らは選挙なんかには行かない ので 以前大統領をやっていたことがあるという理由で
大体の国家元首は続投になっていた
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