ヒッチハイク【恐い系】

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さぁ、いよいよヒッチハイクの始まりだ。 ヒッチハイクなど2人とも人生で初めての体験で、流石にウキウキしていた。 何日までにこの距離まで行くなど綿密な計画はなく、ただ「行ってくれるとこまで」という大雑把な計画だ。 まぁしかし、そうそう止まってくれるものではなかった。 1時間ほど粘ったが、一向に止まってくれない。 「昼より夜の方が止まってくれやすいんだろう」等と話していると、 ようやく開始から1時間半後に、最初の車が止まってくれた。 同じ市内までだったが、南下するので距離を稼いだのは稼いだ。距離が短くても嬉しいものだ。 夜の方が止まってくれやすいのでは?と言う想像は、意外に当たりだった。 1番多かったのが、長距離トラックだ。 距離も稼げるし、まず悪い人はいないし、かなり効率が良かった。 3日目にもなると、俺達は慣れたもので、 長距離トラックのお兄さん用にはタバコ等のお土産、普通車の一般人には飴玉等のお土産、と勝手に決め、 コンビニで事前に買っていた。特にタバコは喜ばれた。 普通車に乗った時も、喋り好きなカズヤのおかげで、常に車内は笑いに満ちていた。 女の子2~3人組の車もあったが、正直、良い思いは何度かしたものだった。 4日目には本州に到達していた。 コツがつかめてきた俺達は、その土地の名物に舌鼓を打ったり、一期一会の出会いを楽しんだりと、 余裕も出てきていた。 銭湯を見つけなるべく毎日風呂には入り、宿泊も2日に1度ネカフェに泊まると決め、経費を節約していた。 ご好意でドライバーの家に泊めてもらう事もあり、その時は本当にありがたかった。 しかし、2人共々に、生涯トラウマになるであろう恐怖の体験が、 出発から約2週間後、甲信地方の山深い田舎で起こったのだった。
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