ヒッチハイク【恐い系】

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運転席のドアが開き、コンビニに、年齢はおよそ60代くらいかと思われる男性が入ってきた。 男の服装は、カウボーイがかぶるようなツバ広の帽子にスーツ姿と言う、奇妙なモノだった。 俺はその時丁度コンビニの中におり、何ともなくその男性の様子を見ていた。 買い物籠にやたらと大量の絆創膏などを放り込んでいる。 コーラの1.5?のペットボトルを2本も投げ入れていた。 その男は会計をしている最中、立ち読みをしている俺の方をじっと凝視していた。 何となく気持ちが悪かったので、視線を感じながらも俺は無視して本を読んでいた。 やがて男は店を出た。 そろそろ交代の時間なので、カズヤの所に行こうとすると、駐車場でカズヤが男と話をしていた。 「おい、乗せてくれるってよ!」 どうやらそういう事らしい。 俺は当初、男に何か気持ち悪さは感じていたのだが、間近で見ると人の良さそうな普通のおじさんに見えた。 俺は疲労や眠気の為にほとんど思考が出来ず、 「はは~ん。アウトドア派(キャンピングカー)だから、ああいう帽子か」 などと言う良く分からない納得を自分にさせた。 キャンピングカーに乗り込んだ時、しまったと思った。 おかしいのだ。何がと言われても、おかしいからおかしい、としか書き様がないかも知れない。 これは感覚の問題なのだから… ドライバーには家族がいた。 もちろん、キャンピングカーと言うことで、中に同乗者が居る事は予想はしていたのだが。 父。ドライバー。およそ60代。 母。助手席に座る。見た目70代。 双子の息子。どう見ても40過ぎ。
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