勇者系【鬱話】

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勇者「よくできました。勇者マークあげちゃいます」 王様「い、いえ。そのような」 勇者「さてさて皆さん、こんな感じで基本的に魔王の城に近づくにつれ、街や村は減っていきます。そして、少ない街や村は基本的に貧困です」 勇者「そんな場所で摂取できる食べ物とは……はい姫様、答えをどうぞ」 姫様「魔物……」 勇者「はいよくできましたー。勇者マーク進呈! やったね!」 勇者「でだ。この辺りにいる魔物、つまりはあばれイモムシとかどくウサギみたいな奴らね。あいつらは、気性が荒いとはいえ、動物とそんなに変わりません」 勇者「ですが、魔王の城に近づくにつれ、魔物ってのは変化していきます」 勇者「では王様、第二問! その変化というのは?」 王様「…………わかりませぬ」 勇者「ブブー! はっずれー。勇者マークはおあずけー」 王様「…………」 勇者「その変化ってのはね。あいつら、知能が上がっていくんだよ」 勇者「知能が上がるってのは、感情が激しく出たり、言葉を喋ったりって感じで表れてくる」 勇者「泣きながら攻撃してきた奴を、『殺さないで』と懇願してきた奴を食って俺達は生きてきた」 勇者「人食いとなんら変わりねえ。それがあんたらの言う勇者って存在だ」 王様「…………」 姫様「…………」 勇者「おっと、湿っぽくなっちゃったね。えーっと、じゃあ話題を変えますか」
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