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勇者「じゃあ、我らが誇る仲間たちの話でもしますか」
ザワザワ
「確か戦死されたと……」
「先程の勇者様が言われたような思いをしてまで勇敢に……」
「おお……実に誇らしい……」
ザワザワ
勇者「えー、じゃあ死んでいった順番に話しましょうかね。っと、じゃあ姫様に第二問!」
姫様「えっ!? あ、ええと」
勇者「一番最初に死んだのはズバリ誰!?」
姫様「……っ!! ふ、ふざけないでください勇者様! そのように死者を愚弄するのは……!」
勇者「いいから答えろ」
姫様「ヒッ! ……で、では、魔法使いどの……?」
勇者「なるほどー、確かに見た目も中身も温室育ちの女の子だったしねー。体力もなかったし、魔物食う時も一番ギャーギャー泣きわめいてたのもあいつだ」
姫様「…………」
勇者「でもはっずれー。正解はー……ぱんぱかぱーん! 戦士でーす!」
姫様「せ、戦士どのですか!? そんな、あの方はこの国一の怪力で、身体も心もとてもお強い方でしたのに!」
勇者「うん、そうだね。あいつは強かったよ。俺らみたいに魔法が使えないからって、いっつも真っ先に魔物に突っ込んで体を張って頑張った」
勇者「だから真っ先に死んだ」
姫様「では、魔物にやられて……」
勇者「違うよ。第一、魔物にやられたんなら蘇生できるでしょ教会とかで」
姫様「確かに……それでは、戦士どのはいったいなんで……?」
勇者「俺が殺した。あいつに頼まれてな」
姫様「な!?」
ザワザワ
勇者「…………」
姫様「もしや戦士どのは、魔王に操られ……?」
勇者「いんや違うよ。自分の意志で俺に『殺してくれ』と頼んだ。だから殺した」
姫様「なぜ!? なぜそのような!?」
勇者「じゃあその辺も踏まえて話しましょうかね」
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