勇者系【鬱話】

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姫様「そうなってしまう前に、安全な国に戻って養生することはできなかったのですか!?」 勇者「あー、俺が帰ってくる時に使った移動魔法ね。まあ確かに、あれを使えば一瞬でここには戻れたな」 姫様「だったら!」 勇者「でも却下だ」 姫様「何故!?」 勇者「移動魔法ってのは、移動先が限定されている」 勇者「この城にもあるよね? 移動魔法用の魔方陣」 勇者「だからここには戻れる」 姫様「だから戻れるのなら何故!?」 勇者「じゃあ戻った後は?」 姫様「は? 後といいますと?」 勇者「戻った後、養生して、すっかりよくなった後だよ」 姫様「それは……また魔王を倒すために……」 勇者「どうやって行くの?」 姫様「そ、それは移動魔法で……」 勇者「魔王の支配力が強い場所へ? 魔方陣も無いのに? どうやって?」 姫様「…………」 勇者「っと、いじめすぎちゃった。ごめんね。まあ、この辺りならね、姫様の案でも悪くないのよ」 勇者「でも、24時間どんな時に凶悪な魔物に襲われるかわからないような場所で。更には先に何があるかもわからない場所ではそうはいかないんだ」
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